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カフェ・ミネルワ(4)

JUGEMテーマ:コーヒー
カフェ・ミネルワ(4)

coffeecup
 
 また別の日に行きつけの書店の老翁に、『それはやっぱり元のところにあリますよ。いまは踊場か何かになってをりますよ』と教えられました。美術学校近くを訪ねたところ、 「Cafe' und Wein Restaurant Serenissimus. Fritz Randows Kuenstlerspiele 」という店がありましたが、夜の商売の店らしく店は閉じていました。

 ついに、「うたかたの記」の頃のカフェ・ミネルヴァは、38年後に茂吉が訪れたときには Serenissimus に変わっていたということが判明しました。茂吉が、カフェ・ミネルヴァ探しを何回も丹念に続けたことには頭が下がりますが、「うたかたの記」の頃の、口角泡を飛ばし、芸術論、哲学、人生について、コーヒーやビールとともに熱心に意見を交わしていた熱気が、カフェー・ミネルヴァにありましたが、その後は「うたかた」のように、変質していたようです。

 日本でも、「歌声喫茶」全盛の時代には、若者がカフェ・ミネルヴァにあったと同様に、文学論、恋愛論、人生論などを語り合い、一杯のコーヒーで何時間も過ごすことができた空間でしたが、今はどうでしょうか。新聞に掲載されていた読者の声の中に、「喫茶店で英語のレッスンをすることは迷惑か」などというものがありました。ビジネスマンの時間待ち、商談にも使われています。朝食を喫茶店で済ませることが常で、コーヒーを注文すると、トーストなど腹一杯になるおまけ付きという地域がありますが、今や、喫茶店は多目的のようです。いままであった、純喫茶は少数派のようです。

 コーヒーを飲むのは、急いで単にのどを潤すのでなく、自分の中の時間をゆっくり進めることにつなげられるといいのかもしれません。「誰にも邪魔されずに、静かに音楽を聴いて、ゆったり時間を過ごす」ことができるカフェに行ってみたいものです。

(了)

 
  • 2015.10.04 Sunday
  • 11:32